ご利用者は人生の先輩です

前回、ご利用者が私たちの手伝いをしてくださっていることをご紹介いしましたが、改めて考えてみるとご利用者に支えていただいていることが多いです。これまでの人生で家族を支え尽くして来られた先輩方なのだと気づかされます。

 

こちらの写真は「物渡し」のレクリエーションでの一コマですが、相手の様子をうかがいお互いに思いやっていらっしゃる様子がよく分かります。このようにご利用者が思いやりを持たれていることを感じる場面が多いです。

たとえば、ご利用者がデイルームから食堂に移動されるときに、職員が机の上を片付け始めると机の端にファイルや色鉛筆を集めてくださいます。お気を使わせてはいけないと、どんなにこっそり片付けているつもりでも、気づかれてしまいます。

 

お礼を伝えると決まって「職員さんがバタバタ忙しそうにしてはるのにこれぐらい手伝わして~」と優しくおっしゃられます。開設当初は、何か手伝おうとされていても、サービスを受けていらっしゃる側のご利用者に手伝ってくだくのは申し訳ないとの思いもあり、「片付けるからいいですよ」などとお断りすることが多かったのですが

 

 

自立支援の観点で捉えると手伝っていただくことも大切でご本人にとって良いことではないかと考えが変わってきております。そして手伝ってくださった時には「ありがとうごいます。」と、職員が感謝の言葉を必ず述べるようにし任せっぱなしや、やっていただいているのに労いの言葉をかけないことのないように気を付けています。

 

 

「しなくていいですよ」というような言葉がけをするよりも、不思議と職員とご利用者の距離も縮まってきたように感じます。

 

 

また、こちらからお願いして手伝っていただく機会を設けている事柄もあります。夕方の送迎をお待ちいただく時間に、職員が「タオルが乾いたので今日もお願いします。」と入浴時にご使用いただいたタオルを持って来てたたんでいただいております。

今は家族に支えてもらっているとおっしゃられる方も、手伝うことで大家族の中心となり家事を切り盛りされていたことや地域活動のお手伝いをされていたころ、働いていたころのことを思い出されるようです。

 

男性陣も「これぐらいのことは、わしらかってするで。」としてくださっており、本当に男女の垣根が無くなってきたことを感じます。

 

 

大事なご家族を預からせていただいているのに怪我などをさせてしまっては申し訳ないですし、サービスを受けていただいている時間内に手伝いをしていただくなんて申し訳ないとの思いもありますが、ご自身の気配りに「私意外と気が付くね。まだまだいける」とおっしゃられ自信を取り戻されているようにも感じます。

 

 

ご利用者同士が手伝い合われている姿も微笑ましく、職員が手伝う時よりも喜んでいらっしゃると感じることもあります。「Kさん、いつも気にかけてくれてありがとう」などとお礼を述べられコミニケションもとっておられます。次は同じことを私もさせていただこうと思われることも良い刺激のようです。