現在、当院でも患者様は面会制限の中での入院生活を送らざるを得ない状況です。
ご家族と出会えない不安やストレスも多いと感じます。特に認知症をお持ちの
患者様は、活気が低下したり、認知面が低下する傾向があると言われています。
またご家族もその点を心配されている方が多いです。
私達セラピストは、次にご家族に会われた時にお変わりない状態で出会って
頂ける様、出来れば、入院時より元気なお姿で出会って頂ける様にという
気持ちで、日々業務に取り組んでいます。
そんな中、先日「水が飲みたい」という訴えのある嚥下障害の患者様の
リハビリを実施していた時の事です。誤嚥リスクが高い患者様であったので、
冷やしたトロミ茶をごく少量(約1㏄未満)スプーンで口腔内に入れました。
ゴクンと嚥下したとたん、「あー、おいしい!!」「心がこもっとる!」と
はっきり言われたのです。確かに、心は込めて、準備はしましたが‥。
重度の認知症で、同じ単語を繰り返し単調に発語されるのみ、
ほとんど会話にもならない状態の患者様でしたので、びっくりました。
それと同時に、気持ちが通じたようで、涙が出そうになりました。
この半年、新型コロナウイルスの感染拡大防止の対策を心掛け、
日々、神経を遣いながらの業務です。患者様に励ました頂いたような、
嬉しい出来事でした。
言語聴覚士