TK様の奮闘記

現在、西紀デイサービスセンターのご利用者は、有難いことに60代~100歳越えの方までと、とても幅広い年代の方々です。そのことより、今年度の目標は「幅広い年代の方に楽しんでいただくレクリエーション」です。

 

2、3年前からご利用者より色んなリクエストをいただくようになり、これまでの選択制レクリエーションから、さらに、もっと個人に焦点をあてた、レクリエーションをしなければならないと考えていました。

 

そこで7月の行事では、個人の人生にスポットライトをあて、ご利用者の一代記を紙芝居にさせていただきました。数名の方に「今までの体験されたことを物語にしていただけないか」と、お願いしたところ

 

TK様が快く「私で良ければ」と引き受け手くださり、直ぐに手書きの原稿を書いてきてくださいました。その原稿も最初の頃は、幼いころにお父様が亡くなり、お母様に女手一つで育てられた話や

 

 

結婚する時のお話、家を建て替えたころのお話、お姑さんを長年介護したお話などの描写が多かったのですが、何度も自身で添削され、その都度、担当の職員に、いろんな話をされておりました。

 

添削を繰り返されるうちに「孫が生まれた時のことを書きたい」「孫が結婚した時のことを書きたい」などと、現在の話を加えたいとの思いも強くなられました。

また、辛い時も、好きな歌をいつも聞き、口ずさんでいらしたことから、生きていく上で歌に励まされ、どんな苦労も乗り越えて来られたことに、ご自身で気づかれ、職員は話をうかがううちに、辛い時を生き抜くアドバイスをいただいたように感じました。

*写真は音楽療法の様子です*熱心に歌われてます。

きっと、この原稿をきっかけに、ご自身の中でいろんなことを回想し、涙されたり、嬉しかった気持ちや家族の中心がご自身であった頃を懐かしまれたのではないかと思います。

 

最終的に仕上がった原稿は、娘さんやご主人、ご家族への感謝の手紙になっていたように感じました。職員が挿絵を描き、紙芝居にさせていただき、ご利用者の前で読ませていただきました。

他のご利用者も同じ年代を生き抜いた方々なので、懐かしんだり、ご自身の人生と比べられたりされたことだと感じました。皆さんに聞いていただけたことも喜んでいらっしゃいましたが、

 

原稿に今までの歩みを書かれたことで、いろんな心のうちにあったものを整理されたのか、現在とても前向きに歩行訓練に取り組んでいらっしゃいます。

一緒にリハビリを行われている渡辺理学療法士は、常日頃から集団リハビリは、ご利用者に盛り上げていただいていると感じているそうですが、

 

リハビリに前向きなKさんは、もちろん素晴らしいのですが、Kさんと個別の歩行訓練を行っていると、Kさんに対して、所長をはじめ介護職員が『kさん、頑張ってるね~元気になったね~』と声掛けをしてくださって、

 

 

そうすると、Kさんは益々、大きな声で掛け声をかけられて歩行訓練をされるので声掛けは大事だということに改めて気づかれたそうです。私たち職員も、ご利用者に前向きな気持ちになっていただけるようにサポートして行きたいです。